【セミナー開催レポート】M&Aにおける雇用・人事問題―交渉からシナジー創出までの戦略と実務

2024年10月1日、Pasona NAとPillsbury Winthrop Shaw Pittman LLPは、ヒューストンにて「M&Aにおける雇用・人事問題―交渉からシナジー創出までの戦略と実務」と題したセミナーを共同開催しました。このセミナーでは、M&Aの成功を支えるための具体的な戦略と実践方法が紹介され、特に人事や組織面での課題に焦点を当てました。在米日系企業の経営者や事業、人事、法務など幅広い部署の方々にご参加いただき、Pillsbury Houston Officeの会場はほぼ満席、参加者満足度は95%を達成し、非常に高い評価をいただきました。
登壇者
秋山 真也 氏 / Mr. Shinya Akiyama
Partner / Pillsbury Winthrop Shaw Pittman LLP
Mr. Philip Gentile
Pasona NA / VP of Consulting Services
第1部 – 買収交渉における雇用問題
第1部では、Pillsbury Winthrop Shaw Pittman LLPのパートナーである秋山真也氏が、M&Aにおける「買収取引交渉における雇用問題」について法務的な観点から解説しました。
従業員の立ち位置の変化、買収契約書の重要ポイント、リスク特定の手法、そして経営陣のリテンション戦略など、法務と現実的な視点を織り交ぜた具体的な事例が参加者の関心を引きました。
「雇用契約、ステイボーナス、二段階買収といった手法はリテンションに効果をもたらすと言われるが、メリットばかりでなく、個別案件の事情によってマイナス面や落とし穴もあるので注意が必要である」という秋山氏の言葉には、多くの参加者が真剣な眼差しを向けていました。
第2部 – Laying the Change Management Groundwork
第2部では、Pasona NAのコンサルティング部門のVPであるPhilip Gentile氏が、M&A後の変革管理について「Laying the Change Management Groundwork(変革管理の基盤づくり)」をテーマに講演しました。
「日系企業が米国でのM&Aにおいて直面する特有の課題として、日本本社が買収検討をリードするが、投資決定後になってから現地側を巻き込み始めるため、Day 1前にPMIを計画する時間が十分とれず、後手後手の対応になってしまう」との指摘には、多くの参加者が共感していました。
M&Aにおける人事・組織面での最大のチャレンジは、異なる企業文化の融合と従業員のエンゲージメントを高めることです。公表前から公表後まで各ステージにおけるコミュニケーション設計の重要性と具体的な留意点について具体例を交えて解説しました。
シナジー創出と包括的なサポート体制
セッションの締めくくりには、Pasona NAの事業開発VPである原慎之介氏が登壇し、日系企業がアメリカでのM&Aを成功させるためのシナジー創出に向け、Pasona NAが提供する包括的なサポート体制を紹介しました。
買収計画時の人事・組織アセスメントから、ガバナンス構築計画、出資後のコミュニケーション含めたChange Management支援、最適な業務体制の構築まで、Pasona NAは全力で支援することを力強く宣言しました。
ご参加いただいた方々の反応
セミナー後のレセプションでは、登壇者への質問や参加者同士の意見交換が非常に活発に行われ、まるでこれから具体的な案件に向けてPMIを計画しているような熱気が感じられました。
「以前のM&Aで直面した問題の原因が今回のセミナーで理解できた」といった声や、「文化統合におけるコミュニケーション戦略は、AIが発展しても人間が担うべき重要な役割だ」といった議論が展開され、テーマの重要性が改めて浮き彫りになりました。