バイリンガル候補者の就職・転職情報〜在宅からオフィス勤務への変化

アトランタオフィスのリクルーターが「アニス アトランタ」に毎月寄稿させていただいている「バイリンガル求職者の就職・転職情報」をご紹介します。同誌は、ジョージア州アトランタをはじめ、南東部にお住まいの日本人の皆様を対象に毎月無料でお届けしている日本語のコミュニティーマガジンです。弊社の経験豊富なリクルーターがお届けする記事をぜひご覧ください。
【在宅からオフィス勤務への変化】
この1年で、在宅勤務の日とオフィス勤務の日を設けるハイブリッド勤務が主流になってきました。在宅勤務だった会社がオフィス勤務に戻ることをきっかけに転職を考える方も多くいますが、最近では在宅勤務のみの求人は実はあまり多くありません。弊社パソナもこの1年で在宅勤務からハイブリッド勤務になりましたが、想像よりもオフィスで働くメリットがあることに気づかされます。特にチームメンバーの結びつきという点に於いては、実際に顔を合わせることの効果を感じています。私が所属するアトランタオフィスは、一人ひとり違う仕事を担当していますが、オフィス勤務をすることで、それぞれの部署で起こっていることが聞けたり、ちょっとした相談事や決定事項がその場で行われたり、在宅勤務ではできなかったことが自然に発生しています。業務の合間や一緒にお昼を食べながらするたわいもない会話が関係を深め、会社の帰属意識にもつながると感じます。またオフィスに集まることが日々の業務にメリハリをつけ、モチベーションにもつながっています。
【Web面接のメリット、デメリット】
直近1年間で日系企業に入社した新入社員の方たちを日々見ていると、以前あまり起こらなかった入社後の早期退職が増えていると感じます。その数を見ても、昨年と比較し、倍近く増加しています。特にオフィス勤務やハイブリッド勤務の職場に多く、一体なぜだろうと考えてみたところ、面接のプロセスに原因があるのではないかという推測に至りました。パンデミック前は、対面での面接が主流でした。たとえWebで面接をしたとしても、最終面接では現地に赴き、実際に顔を合わせたり、今後働く事になる場所を見たりする機会がありました。しかし、パンデミックを経て、面接の主流はWeb面接に変わりました。いつでもどこでもできるWeb面接は便利で、面接のプロセスを早めることが可能になりました。但し、ここに落とし穴があります。Webと実際現地で顔を合わせるのでは、双方印象が異なることがあります。直近でも、Webの面接では感触が企業側も求職者側も良く、現地での最終面接まで進み実際に顔を合わせたら、その感触が変わってしまったというケースもありました。Web面接だけで採用のプロセスが進むことは、すぐ就職したい方、採用したい企業にはうってつけではありますが、1日の大半を過ごす職場の環境や、一緒に働くチームを見ずして決めてしまうことは、よく考えるとリスキーではありませんか?面接の過程で新しく働くかもしれない職場を見て、何か違うぞ、と感じるのと、現職をすでに辞め、新しい職場に入ってから初めて環境を見て、こんなはずじゃなかった!と思うのは、雲泥の差です。失うものも異なります。
【面接プロセス中にできること】
もし、就職活動をしていて、Webだけで面接が進む場合、できることがいくつかあります。
- 最終面接で、現地での面接実施をお願いできないか聞いてみる
- もし現地の面接をどうしても実施しない企業であれば、Webのカメラを通して、少しでも職場の雰囲気を映してもらう様、お願いする
- 上記の2つが叶わない場合、社風やどんなチームと働くか、チーム内にはどのような方がいるか、前任者がいる場合はどうして退職されたか、など具体的に環境がイメージできるような質問をする
どれも一見ハードルが高いように思いますが、これから自分が長い時間を過ごすかもしれないと考えたら、確認をしておいて損はありません。また、リクルーターと一緒に就職活動をしている方々は、担当のリクルーターに懸念点をお伝えいただければ、それをどうやって払拭するかを一緒に考え、企業に提案してくれますので、一人で抱え込まず、ぜひリクルーターにご相談下さい。
【まとめ】
便利さが逆に不便を生んでいるのは、きっと様々あるのだと思いますが、いずれにせよ、大切なのはやはり原点に立ち返り、人と人とのつながりであるような気がしてなりません。昔から、重要なことは実際に会って話す、ということを考えると、“会う”ということに、それだけ意味があることに改めて気づかされます。
「ANIS ATLANTA」3月号より抜粋)
Akiko Komura/Pasona NA, INC. Atlanta Office
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