バイリンガル候補者の就職・転職情報〜求職者優位からの180°の変化

アトランタオフィスのリクルーターが「アニス アトランタ」に毎月寄稿させていただいている「バイリンガル求職者の就職・転職情報」をご紹介します。同誌は、ジョージア州アトランタをはじめ、南東部にお住まいの日本人の皆様を対象に毎月無料でお届けしている日本語のコミュニティーマガジンです。弊社の経験豊富なリクルーターがお届けする記事をぜひご覧ください。

【求職者優位からの180°の変化】

アメリカの失業率は過去数十年で最低水準に近く、全体的に解雇は小幅にとどまっているとはいえ、企業は引き続き採用に時間をかけており、更に以前よりも求人数を減らしているところもあります。そのため、求職者の就職活動が少し難しくなっています。パンデミック直後の数年前は、求職者が圧倒的優位に立っていましたが、現在は正反対の状況です。企業は、仕事を遂行する上で必要なスキルを完璧に持つ求職者が現れない限り採用を進めない、複数の求職者を時間をかけて比較する、など、採用に慎重になっています。一方、求職者側は、2023年は不況が来るかもしれない、という見通しもあっため、転職活動を見合わせる方も多く、採用市場自体が少し落ち着いていたのも事実です。

【転職市場の冷え込み】

パンデミック直後の2021年から2022年は、求人数も多く採用が活発だったため、求職者優位でしたが、2023年は自然の原理と不況の恐れから冷え込んだというのがこれまでの流れです。しかし、米国のGDP(国内総生産)が3.2%成長し、FRB(米国連邦準備理事会)が今年3回利下げの見通しがなされているため、今後採用が増えるのではないかと言われ始めています。しかし、インフレが鈍化するかどうかはまだ不透明なため、インフレが抑制され、FRBが実際に金利を引き下げるまでは、引き続き様子を見ながら採用を決断していく企業は多いでしょう。

【採用にかかるタイムラインの変化】

人事データを提供するジョシュ・バーシン・リサーチによると、労働者を採用にかかる日数は、2019年の40日から2023年には44.5日に伸びており、平均値は、年々上昇を続けています。医療や小売など、特定の業界に於いては、比較的早く採用が決まるものの、それ以外の業界の雇用主は、採用よりコスト削減に重点を置いているため、雇用をためらっている場合があると言います。そのため、求職者の立場になると、面接をしても返事をもらえるまで時間がかかったり、選考自体に何か月もかかるなど、フラストレーションが溜まる状況も発生しています。面接をしても返事がもらえなかったり、結果を待たされる状況は、1月に前年同月比で13%増加しており、パンデミックが起こる直前の2020年2月から77%増加していると言われています。

【今すべきこと】

2024年の採用の見通しは楽観的ではあるものの、現状はまだ停滞気味で、求職者にとっても、企業にとっても、先行きの不透明さと決断の難しさは残っていると言えるでしょう。こういう時期だからこそ、自分のスキルや今後のキャリアについてじっく理考え、2024年何をすべきかを見定め、来るべき時に備えることが必要です。弊社のWebsiteにもレジュメや面接についての情報が載っていますので、是非ご活用下さい。

「ANIS ATLANTA」4月号より抜粋)
Akiko Komura/Pasona NA, INC. Atlanta Office
pasona.info@pasona.com
就職・転職活動でご質問やご相談があればいつでもお問い合わせください

記載されている情報の正確性については万全を期しておりますが、ご利用者が当情報を用いて行う一切の行為について、何らの責任を負うものではありません。 本情報に起因してご利用者に生じた損害については、責任を負いかねますのでご了承ください。