米国人事関連Update: 米系企業と在米日系企業の昇給率・米国企業福利厚生のトレンド・ 新しいI-9フォームの義務化スタート

【雇用情勢:米系企業と在米日系企業の昇給率(2023年~2024年)】

米国連邦政府が、2024年に連邦政府職員の大幅な給与引き上げを検討している中、米系企業においても2024年の報酬予算が作成されています。コンサルティング会社や給与関連サービスプロバイダー各社が出している給与調査によると、各社数字に若干の違いがあるものの、2023年は高インフレや労働市場の逼迫が影響し4.0%~4.4%の上昇率で、2008年の金融危機以来の最高水準の昇給率となりました。2024年は現時点までの調査で3.9%~4.1%の昇給が予算として組み込まれており、2023年と比較して増額規模が減少する見込みです。

また、Pasona N.A.が在米日系企業を対象に行った給与調査(回答数:512社)では、2023年の同調査で予測された4.29%を大幅に上回り、2023年の昇給率実績は4.83%となりました。しかし、2024年は3.85%の昇給率予測となり、パンデミック前の水準に近づきつつあります。

関連記事:米系企業と在米日系企業の昇給率比較(2023-2024) / Virtual HR Business Partner (登録無料)

 

《参考記事》

Salary Increase Projections 2024 / SHRM (閲覧には登録が必要な場合があります)

【雇用情勢:2024年米国企業福利厚生のトレンド】

2024年、米国の福利厚生に関するトレンドは社会的な変化と政策の進展により新たな方向性を示しています。過去3年間、パンデミックの影響により米国の労働力は多くの課題に直面したため、雇用主は経済状況が不安定な中、人財の争奪戦、従業員の維持、働き方の変化などに対し引き続き対応を迫られています。インフレによる物価上昇によって医療費負担(健康保険等)が増加傾向にあるため、米国の雇用主は既存のヘルスプランの分析・見直しを行う一方で、ジム費用の補助、健康的な食事への補助などのウェルネスインセンティブプランを通じて医療費を抑制しようとしています。従業員の健康促進は、従業員の幸福度アップにつながり、それが企業の生産性向上にも繋がります。

 

関連記事:2024年米国企業福利厚生のトレンド① / Virtual HR Business Partner (登録無料)

【USCIS:新しいI-9フォームの使用義務化がスタート (2023年11月1日)】

USCISから提供されている新しいI-9フォームは2023年8月より使用可能でしたが、2023年11月1日より、すべての雇用主に対して新しいI-9の使用が義務化されました。古いフォームを使用すると罰金の対象になります。新しいI-9フォームは、セクション1と2を1ページに縮小したことや、E-Verifyの資格を持つ雇用主が従業員のI-9をリモートで確認した際に利用するチェックボックスの追加などが含まれています。詳しい変更点はUSCIS-Form I-9 Employment Eligibility Verification: Summary of Changes to Form and Instructions をご確認ください。

関連記事:Form I-9(従業員の身元および雇用許可確認) / Virtual HR Business Partner (登録無料)

 

《参考資料》

USCIS-Form I-9 Employment Eligibility Verification: Summary of Changes to Form and Instructions / USCIS (July, 2023)

I-9, Employment Eligibility Verification / USCIS (November 3, 2023)