Digital Transformation への挑戦 – PART2 –

人事・組織

業務改善

更新:09/08/2021

米国パソナではCorporate Transformation(企業変革)を推進するなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)については2020年10月からIT戦略室を発足させ、経営戦略のひとつとして本格的に取り組んでいます。弊社の経験の共有が在米日系企業様のお役に立てればという想いから、この取り組みを通して気づいたことなどをご紹介させていただきたいと思っております。

前回の記事「Digital Transformation への挑戦 – PART1-」では、デジタルトランスフォーメーションとは何なのか?や、DXの定義などをお話をさせていただきました。今回は、デジタルトランスフォーメーションを行う上で、とても重要なDiversity & Inclusion(D&I)についてご紹介させていただきます。

データサイエンスにおける多様性 Diversity & Inclusionについて

デジタルトランスフォーメーションを行う上で、Diversity & Inclusion(D&I)が重要視されてきています。Diversity & Inclusionとは、人種や性別、年齢などの外見的な違いはもちろん、宗教や価値観、性格、嗜好など、内面にもさまざまな違いがあるなか、個々の「違い」を受け入れ、認め合い、生かしていくことを意味します。では、データにおけるD&Iとはどういうことでしょうか?

1. データ・テクノロジーを扱う人にバイアスがかかってないこと

aiai (alliance for inclusive AI) のデータによると、世界の50.8%は女性で、労働人口におけるマイノリティ(※過小評価グループ)の割合は36.9%を占めるにも関わらず、テクノロジー職に就いている女性の割合は17%にしかすぎず、AI業務に就いている女性とマイノリティを合わせた割合は5%に過ぎません。データサイエンスやAIの領域でD&Iがないということは、そこから生み出されるテクノロジーやデータの解読に大きなバイアスがかかる可能性があるということです。

※過少評価グループ(Underrepresented Minority)とは、ある部分郡の中で、集団全体における人口の割合よりも有意に小さな割合しか持たない、集団の部分集合のこと。例えば、大学教育を受けた労働者のうち女性の占める割合が50%であるにもかかわらず、STEM分野における女性労働者が28%しかいない場合、女性は過少評価グループとなる。(参考:Wikipedia

そもそも、私たちには何らかの認知バイアス(特定の事象に対して、自分の思い込みや周囲の環境といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象)がありますが、他人の意見を取り入れることでこのバイアスを取り除くことができます。しかし、同じような考えを持つ人だけで構成される、いわゆるダイバーシティのない環境では認知バイアスに気づくことは難しく、またイノベーティブでインクルーシブなアイディアも生まれにくくなります。

 

2. 利用するデータ・テクノロジーにバイアスがかかっていないこと

データを元に判断するということは、その元になるデータが正しいものである必要があります。不適切なデータを元にいくら解析を行っても、そこから得られるデータではビジネス課題の解決には寄与しません。

具体例として、顔認識システムのアルゴリズムにおいては、アフリカ系アメリカ人やアジア人の顔を間違って特定する確率は白人の10~100倍高いという研究結果がでています。同研究によると、男性よりも女性の特定が難しく、中年齢者に比べ、高齢者の誤認識の確立は10倍以上高いようです。このようなバイアスのかかったシステムを使って、警察などが犯罪者の逮捕やテロリストの追跡を行ったら、バイアスのかかった結果が出るのは当然です。

テクノロジー領域は総じてD&Iの問題があると言われていますが、中でもデータサイエンスの領域は最も多様化が進んでいない領域です。データとD&Iは一見関わりがなさそうですが、正しい・倫理的な判断をするために、その価値がより高まったというのは頷けます。DXを進める中でデータの活用は必須のため、間違った判断につながらないようにデータのD&Iについても考えてみることをお勧めします。

執筆者:Mari Takahashi

 

【参考資料】
Many Facial-Recognition Systems Are Biased, Says U.S. Study (The New York Times)
Diversity in Data Science: A Systemic Inequality (towards data science)

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